2018年08月29日

風に吹かれて

樋口明雄さんの「風に吹かれて」を読んだ。

樋口明雄さんの作品は南アルプスを舞台にした救助犬が面白い。
この作品は山口県岩国市が舞台だ。
ここの中学2年生が主人公だ。
モリケン、ノッポ、ムラマサ、ミッキー、そしてオサゲの5人が繰り広げる物語。

何とも切ない物語。
それは自分が体験してきたことを追体験するからなのだろうか。
あらためてボブディランの「風に吹かれて」を聞いてみると、懐かしい。
それよりも、こんな純粋な気持ちに共感していた自分を懐かしむ。

久しぶりに読み終えた後に涙が出た。



posted by 鎮爺 at 21:01| Comment(0) | 読書

銀嶺の果て

1947年公開の「銀嶺の果て」をDVDで見た。

監督:谷口千吉/脚本:黒澤明/音楽:伊福部昭
出演:志村喬/三船敏郎/若山セツ子/河野秋武/小杉義男/高堂国典

このメンバーを見るだけですごい作品とわかる。
まして三船敏郎のデビュー作である。

三船敏郎の存在感は半端ではない。
ぎらぎら光る目はただ者ではない。
銀行強盗をやった3人が雪山に逃げ込む。
逃げ込んだ山小屋だが、登山者と老人と孫娘が守っている。

物語の展開に引き込まれてしまう。
黒澤明の脚本が素晴らしいのだろう。

posted by 鎮爺 at 20:47| Comment(0) | 読書

山岳遭難の教訓 --実例に学ぶ生還の条件

羽根田治さんの「山岳遭難の教訓 --実例に学ぶ生還の条件」を読んだ。
羽根田さんの山岳遭難についての著書は、事実を詳細に伝えていることが評価できる。
山岳遭難が起こると、マスコミが一斉に報道するが、真実を伝えているとは言いがたい。
たとえば、雪山に行くのに軽装だった。
ビーコンを持っていなかった。
登山計画書を提出していなかった。
単独行で登ったことは無謀としか言いようがない。
山岳遭難は繰り返してはならない。
そのためには正確な検証が必要だ。
この本はそのための教科書とも言えるだろう。



posted by 鎮爺 at 20:36| Comment(0) | 読書

白き嶺の男

谷甲州さんの「白き嶺の男」を読んだ。
加藤文太郎をモチーフにした1995年に発表された小説だ。

主人公は加藤武郎という登山家だ。
読んでみると加藤文太郎とどうしても結びつかない。
新田次郎さんの「孤高の人」のイメージが強烈すぎて重ならない。

この加藤武郎はとんでもない体力も持ち主で、なおかつ危険に対する感性は抜群だ。
パーティーを組むことは彼にとってはむしろ危険な状況に追い込まれてしまう。

単独行が主となっている自分にも重なる部分が多い。
しかし、単独行で重大事故に遭わなかったのは運が良かっただけかもしれない。

posted by 鎮爺 at 19:21| Comment(0) | 読書

2018年08月19日

ある日の山 あの時の山

後藤信雄さんの「ある日の山 あの時の山」を読んだ。

「里やま深やま」に続く群馬の山歩きの第一人者である後藤さんの2冊目となる本だ。
店頭に並ぶのはまだ先のようだが、後藤さんから1冊送っていただいた。

内容は「随想」と「紀行」の二つに分かれている。
随想では【山の常識】【雪かき】の2編が目に付く。
この2編は著者が長年山を登っていて、実際に体験をした事例が紹介されている。
常識とはなんだろうか?
私は街と山とでは挨拶にしても明らかに違っていると思う。
しかし、基本は動植物にそしてほかの登山者にも迷惑をかけないということだろう。
困ったのは自分の常識が正しいと思い込んでいる人(ベテランといわれる人たち)
私も広い登山道で下っていったら、「上り優先でしょう!!」と怒鳴られた事があります。
これはケースバイケースでよく考えればわかることです。

紀行は普段ガイドブックで目にすることのない山が載っている。
地図は略図となっているが、昨今のGPSの軌跡をダウンロードして持ち歩く事からすれば不親切だ。
ところが、よく考えてみるとこんなマニアックな山は安易に踏み込んではならない。
よく調査して事前に地形図を読んでから出かける。
そんなことができなければ、これらの山に入るのは無謀とも言えるだろう。

群馬県境トレイルが開通したとのことだが、白砂山から稲包山のあいだは水場もなく、夏は雷の発生地帯だ。
それにエスケープルートもない。
公共交通機関も限られているから縦走しても起点に戻る術がないのである。
観光目的で開通したのだろうが、疑問を持たざるを得ない。

【御巣鷹山】は山頂の写真が載っている。
これは我々が登ったときの「達筆標識」でなんとなくにんまりとしてしまう。

この本は丁寧な装丁で上質紙を使用しているので、多くの写真が引き立つ。
この写真を見ているだけでも心が山に向かっていく。

単独行者だからいろんな事を思いながら歩いているのだろう。
単独行者だから臆病で小さな物音にも敏感になる。
そんな後藤さんが綴られた本は共感できる部分が多い。
すでに3冊目の構想もあるようだが、まだまだ現役で山歩きを続けて欲しい

posted by 鎮爺 at 08:44| Comment(1) | 読書