「里やま深やま」「ある日の山 あの時の山」に続く3冊目だ。
吾妻は八ッ場ダム工事の関係で風景が大きく変わろうとしている。
里は立派な道路と近代的な住宅で、もはや里山と呼ぶのがふさわしくなくなっている。
しかし、見上げる山の風景はこれからも変わらないでほしいと思う。
本書は写真と文章による構成となっている。
個人的にはこの文章があることが大きな魅力で、歩いたときの著者の思いや、歴史的背景などが書かれていることで、その山に対する深みが増してくる。
単なるガイドブックとしてだけでなく、読み物としても充分に楽しめる内容だ。
400部が店頭に並ぶという事で、吾妻の山を目指す人にとっては貴重な資料となる。
ぜひとも購入しておきたい一冊だ。

