2018年08月19日

ある日の山 あの時の山

後藤信雄さんの「ある日の山 あの時の山」を読んだ。

「里やま深やま」に続く群馬の山歩きの第一人者である後藤さんの2冊目となる本だ。
店頭に並ぶのはまだ先のようだが、後藤さんから1冊送っていただいた。

内容は「随想」と「紀行」の二つに分かれている。
随想では【山の常識】【雪かき】の2編が目に付く。
この2編は著者が長年山を登っていて、実際に体験をした事例が紹介されている。
常識とはなんだろうか?
私は街と山とでは挨拶にしても明らかに違っていると思う。
しかし、基本は動植物にそしてほかの登山者にも迷惑をかけないということだろう。
困ったのは自分の常識が正しいと思い込んでいる人(ベテランといわれる人たち)
私も広い登山道で下っていったら、「上り優先でしょう!!」と怒鳴られた事があります。
これはケースバイケースでよく考えればわかることです。

紀行は普段ガイドブックで目にすることのない山が載っている。
地図は略図となっているが、昨今のGPSの軌跡をダウンロードして持ち歩く事からすれば不親切だ。
ところが、よく考えてみるとこんなマニアックな山は安易に踏み込んではならない。
よく調査して事前に地形図を読んでから出かける。
そんなことができなければ、これらの山に入るのは無謀とも言えるだろう。

群馬県境トレイルが開通したとのことだが、白砂山から稲包山のあいだは水場もなく、夏は雷の発生地帯だ。
それにエスケープルートもない。
公共交通機関も限られているから縦走しても起点に戻る術がないのである。
観光目的で開通したのだろうが、疑問を持たざるを得ない。

【御巣鷹山】は山頂の写真が載っている。
これは我々が登ったときの「達筆標識」でなんとなくにんまりとしてしまう。

この本は丁寧な装丁で上質紙を使用しているので、多くの写真が引き立つ。
この写真を見ているだけでも心が山に向かっていく。

単独行者だからいろんな事を思いながら歩いているのだろう。
単独行者だから臆病で小さな物音にも敏感になる。
そんな後藤さんが綴られた本は共感できる部分が多い。
すでに3冊目の構想もあるようだが、まだまだ現役で山歩きを続けて欲しい

posted by 鎮爺 at 08:44| Comment(1) | 読書
この記事へのコメント
Posted by 青木 at 2018年09月04日 23:45
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