2016年01月23日

棟居刑事の青春の雲海

森村誠一さんの「棟居刑事の青春の雲海」を読んだ。
棟居刑事は「人間の証明」ではじめて登場する。
両親、妻子をそれぞれ不幸な出来事で失っている。
棟居刑事の息抜きは山を歩く事。
後立山を歩いているときに、単独行の女性と同行することになる。
行方不明になっている夫を捜しているという。
お互いに連絡先も交わすことなく新宿で別れる。

ところが、その夫とも、女性とも偶然の出合でつながっていく。
そしてホームレスの死と関わっていく。
犯人は誰なのか、最後まで判らない。
このあたりは森村誠一さんの構成の素晴らしいところだ。

しかし、あまりにも偶然の出合が多すぎて、不自な感じを受ける。
後立山の縦走にしても、コースタイムや山小屋の位置などが現実とあっていない。

ともかく人生のリセットが主題となっている。
老いてくると、やり直しという事が頭をかすめる。
そのことについて小説では、過去を断ち切って看板をかけ直しても、結局は何も変わらないと書いている。


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2015年12月31日

お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂 (4)

似鳥航一さんの「お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂 (4)」を読んだ。
シリーズ4作目、和菓子の老舗、鳳凰堂のお嬢様である葵さんの事が気になって読み続けてしまった。
今回のテーマは「水羊羹」「きんつば」「水饅頭」の3つがテーマとなっている。
新たなキャラクターとして茶道家元の御曹司が出てきてお騒がせ。

葵さんの謎が解けてくる。
腕の傷の秘密はそうだったのかと納得する。
次の第5作目で完結と言うことなので、発刊が待たれる。




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2015年12月09日

お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂 (3)

似鳥航一さんの「お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂 (3)」を読んだ。
なんとシリーズものになるとは思っていなかったが3巻目になってしまった。
やはり、和菓子の蘊蓄を物語に絡めて謎解きをする。
それに、元不良の和菓子店主の栗田、そして清楚な美女である葵をのとの関係。
また、葵の謎の過去を小出しにして興味を引くところが憎い。

今回のテーマは「あんみつ」「みたらし団子」「金平糖」
食べるだけでなく、作ってみたい気持ちにさせられる。
とりあえず5巻まで続くようなので、読まなくては。



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2015年11月27日

ハルカの空: 南アルプス山岳救助隊K-9

樋口明雄さんの「ハルカの空: 南アルプス山岳救助隊K-9」を読んだ。
「天空の犬: 南アルプス山岳救助隊K-9」のスピンオフ的な位置づけでもある。
「沈黙の山」「ランナーズハイ」「サードマン」「ハルカの空」「NO WAY OUT」「ビバーク」の6編が収められている。
題名となった「ハルカの空」は、はじめて山小屋で働くことになった天野遥香さんが主人公だ。
迷惑な登山者に腹を立てるが、ひたすら我慢する。
しかし、ついに我慢の限界が来る。
その結末はどうなるのか。
たしかに、昨今の中高年登山者の傍若無人は振る舞いは目に余るものがある。
それも、団体登山者の迷惑行為はひどいものがある。
作者はこれを表題としたのは、一番訴えたかったことがここに書かれているからだと思う。

架空の山岳救助犬メイ、そのハンドラーの星野夏実巡査の魅力がさらに深まった作品となっている。



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2015年11月13日

お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂 (2)

似鳥航一さんの「お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂 (2)」を読んだ。
シリーズ二作目となり、登場人物がより詳細に描かれるようになった。
和菓子にめちゃめちゃ詳しい、謎の美人お嬢様もちょっとだけ解ってきた感じがする。
今回のテーマは雷おこし、饅頭、桜餅だ。
それぞれの蘊蓄が楽しい。
またちょっとした謎解きとなっている。
桜餅の葉の生産は伊豆がほとんどだと言う。
知らなかった。


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2015年11月07日

天空の犬: 南アルプス山岳救助隊K-9

樋口明雄さんの「天空の犬: 南アルプス山岳救助隊K-9」を読んだ。
わたしは山に犬を連れて登ることに否定的だ。
そんなわけで、山と犬とはどうも題材として馴染めなかった。
しかし、知人の薦めによって読んでみる気になった。
読み始めると実に面白い。
新人警察官の星野夏美は警備犬メイのハンドラーだ。
いきなり派遣されたのは東日本大震災の被災地。
そこで大きな衝撃を受ける。
実は彼女は共感覚の持ち主で、見るものを色の感覚として受け取ってしまう。
被災地では赤、黒、紫といった色で満ちあふれ、安らぎを受ける色はなかった。

その後、夏美は南アルプスの北岳を管轄する「白根御池小屋警備派出所」に配属となる。
相棒の警備犬メイは遭難者捜索のために活躍することになる。
派出所には暗い過去を背負った先輩がいる。
その人達と一緒に活躍していくのだ。
そこで夏美はどんな色を感じるのだろうか?

実際には山岳警備に犬は導入されていない。
まして北岳のような岩場のある場所では活動は難しいだろう。

題名に天空の犬とあるが、実際には星野夏美巡査の物語である。
作者、樋口明雄さんの作品は4冊目だが山岳描写は実にかっこいい。
続編を書いていただければ実に嬉しい。


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2015年10月13日

神様の御用人2

浅葉なつさんの「神様の御用人2」を読んだ。
シリーズ化されているものの第二弾である。
現代に生きる神様の悩みやお願いを叶えるという普通の若者の奮戦記だ。
今回も個性豊かな神様が登場する。
一番嫌いな貧乏神や疫病神も登場。
まあ、貧乏神に棲んでもらいたくは無いに決まっているが、案外小心者だったりする。
神様はこの御用人にしか見えないのだが、他にもヒロインとして無口な少女が登場する。
これからの展開が面白そうだ。

天に在りては神と伝い、
人に在りては心と云い、
神人一体ぞ、
故に神を心となせるを人と云う

物語の最初にある吉川惟足の一節を紹介している。
味わい深い言葉である。






posted by 鎮爺 at 20:36| Comment(2) | 読書